サンフランシスコ、カリフォルニア州:大麻を摂取する高齢者は、摂取しない人に比べて心臓発作や脳卒中などの心血管疾患の有害事象を起こす可能性が高くないことが、Circulation誌に掲載された長期データで明らかになった。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校に所属する研究者らは、冠動脈疾患の既往歴を持つ高齢退役軍人4,285人(平均年齢67.5歳)のコホートにおいて、大麻の使用と心血管の健康状態を評価した。研究参加者の約25%(1,015人)が現在大麻を使用していると回答したのに対し、残りの3,122人は回答しなかった。被験者は平均3.3年間追跡調査された。
研究者の予想に反して、研究者らが共変量を調整した結果、現在の大麻使用は、心臓発作、脳卒中、心血管疾患による死亡、または全死亡率の上昇率と独立して関連していなかった。
「我々の知る限り、本研究は、冠動脈疾患(CAD)を発症した患者における大麻使用と心血管疾患の長期的な転帰との関連性を検証した唯一の研究である」と、研究著者らは結論付けている。「この高齢のCAD患者コホートにおいて、大麻の喫煙は急性心筋梗塞(AMI)、脳卒中、心血管疾患による死亡の複合転帰と関連していなかった。これは、大麻曝露に関する複数の指標において一貫した結果であった。」
大麻の使用と心血管の健康状態を評価する個々の研究は一貫性のない結果をもたらしているものの、 アメリカ医学ジャーナルに掲載された67本の論文の文献レビュー では、「マリファナ自体は、心血管疾患の過剰なリスク要因と独立して関連しているようには見えない」と結論付けられています。最近では、アメリカ予防医学ジャーナル(AJPM)フォーカスに掲載された72万人以上の成人を 対象とした分析で、現在大麻を使用している人は、使用していない人に比べて心臓発作のリスクが高くないという結論が出ています。
「冠動脈疾患を患う退役軍人における大麻喫煙と心血管イベントとの関連性」という研究の全文は、Circulation誌に掲載されています。
Reference : Study: Cannabis Consumption Not Associated With Elevated Risk of Adverse Cardiovascular Events in Older Adults
https://norml.org/news/2025/07/24/study-cannabis-consumption-not-associated-with-elevated-risk-of-adverse-cardiovascular-events-in-older-adults/