幻覚剤は主観的経験と脳のダイナミクスを大きく変えます。
脳の振動は、健全な機能に関連する、臨界に近いダイナミクスの特徴を示します。臨界への近さの変化は、幻覚剤の体験的および神経学的効果の根底にあると考えられています。
ここでは、幻覚剤物質 (DMT) が脳の振動の臨界性に及ぼす影響と、主観的経験との関係を調査します。DMT は、アルファおよび隣接周波数帯域で脳の振動のダイナミクスを臨界から遠ざけることがわかりました。
この文脈では、エントロピーが増加し、複雑性が減少します。
アルファおよびシータ帯域で観察される臨界の変化は、幻覚体験の特徴である自我崩壊の強度評価と相関していることがわかっています。
最後に、最近開発された指標である機能的興奮性抑制比を使用して、DMT によって引き起こされる脳の振動の臨界の変化は、臨界未満の状態に向かっていることがわかっています。
これらの発見は、人間の脳における幻覚作用のメカニズムの理解と、意識の変化した状態の神経学的根拠に大きな意味を持ちます。
Reference : DMT-induced shifts in criticality correlate with ego-dissolution
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2025.02.08.636868v1