それは麻、大麻、それともマリファナですか?
それは、ある形では(今のところ)合法だが、他の形では今秋新たな規制に直面することになる謎の植物について誰が議論しているかによって異なる。
大麻草の歴史と工業原料および医薬品としての使用について考察した書籍『Grass Roots』の著者ニック・ジョンソン氏にとって、この混乱は意外なことではない。
「大麻は世界で最も古くから栽培されている作物の一つです」とジョンソン氏は語る。「そして、非常に謎めいた存在でもあります。私たちはまだ、その生物学的性質、なぜそのような行動をとるのか、どのようにしてそのような化合物や分子を作り出すのか、そのすべてを理解できていないのです。」
麻薬取締局によると、大麻には「480以上の成分がある」が、米国の規制当局は、大麻の有名な精神活性作用に関連する化合物であるTHCだけに焦点を当てている。
連邦法では、THC含有量に基づき、合法ヘンプと違法マリファナを区別して定義しています。植物に含まれるTHCのいずれかの形態が0.3%未満であれば(今年後半にはより厳しい規制が施行されます)、マリファナではなくヘンプとみなされます。マリファナは、より規制の厳しいスケジュールIからスケジュールIIIの薬物に再分類される手続きが進められていますが、ヘンプは規制薬物ではありません。
方針、品質、用途は異なりますが、植物は似ているところの方が多いです。
「植物学的に言えば、ヘンプとマリファナはどちらも単一の種、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa )に属します」と、オレゴン州立大学でヘンプのゲノミクスを研究するケリー・ヴァイニング准教授は述べています。ヴァイニング氏によると、分類学者は一般的にヘンプとマリファナをカンナビス・サティバの亜種と見なしています。
しかし、ヘンプの法的定義は議会と全米で激しい論争を巻き起こしている。新たな連邦法は、植物そのものに焦点を当てるのではなく、最終製品中のTHC(および類似化合物)の含有量を厳しく制限することになる。これは、数十億ドル規模のアルコール飲料産業を生み出した2018年農業法の抜け穴を塞ぐことを目的としている。
批評家たちは、この新法は改正されるべきだと述べ、THC飲料メーカーや、CBD(カンナビジオール)など大麻に含まれる化合物である他のカンナビノイドを使用する企業に壊滅的な影響を与えると警告している。
定義の変化は、かつては換金作物だったものの後に禁止された麻にとって、近年の動向に過ぎません。その歴史を簡単にご紹介します。
麻はかつてアメリカの重要な作物だった
植民地時代および初期のアメリカでは主要作物であった麻は、船で使用されていたロープや帆から奴隷の衣服、さらには綿花やその他の生産品を梱包するためのより糸まで、あらゆるものの生産に使用されていました。
1900年にS.S.ボイスが出版した麻の歴史によると、「麻は1629年にはニューイングランドで栽培されていた」という。
バージニアなどの植民地では、麻を栽培した農民に報酬を与え、栽培しなかった農民に罰を与えていたと彼は指摘した。
「Grass Roots」の著者ジョンソン氏は、麻が使われていなかったことが一つあると語る。
「ジョージ・ワシントンの時代には、誰もマリファナを吸っていませんでした」と彼は、よくある誤解を解こうとしている。「彼らは大麻を栽培していました。吸ったり飲んだりはしませんでした。精神活性目的で使用することも全くありませんでした。」
「麻薬大麻」の起源
ジョンソン氏によると、北米と南米の先住民は、イギリスやスペインなどの植民地支配者が大麻の形態を持ち込むまで、大麻を薬物として利用していませんでした。精神作用を目的とした品種改良は、はるかに古く、別の大陸、アフガニスタンのヒンドゥークシュ山脈で始まりました。
長くて強い繊維で珍重されていた、高くそびえる麻の植物と比較すると、このアジア版カンナビスは背が低くずんぐりとしており、他の理由で珍重されていました。ジョンソン氏によると、高地での強烈な太陽光線から身を守るため、この植物は花のための「日焼け止め」、つまり蕾を覆うTHC樹脂を進化させたとのことです。

イギリス人がこの植物に出会ったのはインドでした。インドでは、現地の人々が何千年もの間、精神活性作用のある大麻を栽培していました。この栽培品種が西半球に広まったのは、一見あり得ない出来事がきっかけでした。イギリスが1834年にカリブ海における奴隷制を廃止した際、年季奉公のインド人労働者をカリブ海のプランテーションに送り込んだのです。
「自由人やかつて奴隷だった黒人層が、新たに年季奉公人となった人々と混ざり合うようになる」とジョンソンは言う。「ラスタファリアンの伝統はそこに根ざしている」
この新しい品種の大麻は、鎮痛剤などの医薬品としての地位とともに、本土に広まりました。1851年までに、大麻抽出物は医師や薬剤師が参照する米国薬局方に掲載されました。
園芸学教授のヴィニング氏によると、大麻植物はそれぞれ異なる進化を遂げているにもかかわらず、THCやCBDなど話題のカンナビノイドを生成するために同じメカニズムを利用しているという。
「植物では、どちらも同じ生合成経路で合成されます」と彼女は言います。「前駆体分子を、THCやCBDなどのカンナビノイドである下流分子に変換する酵素はそれぞれ異なります。」
しかし、すべての大麻草がこれらのカンナビノイドを高濃度に生産できるわけではありません。農家は何世紀にもわたってヘンプを栽培し、THCや他のカンナビノイドではなく、大きくて強い繊維を持つ植物を選んできたとヴァイニング氏は指摘します。

米国における大麻取り締まりの始まり
アメリカで初めて大麻が広く記録に残る禁止令が出たのは1915年、テキサス州エルパソでした。当時、大麻の医療用途を理由に医師や薬剤師が懸念を示していました。エルパソ・ヘラルド紙は、「大麻は国内有数の製薬会社によって製造されており、鎮静剤として効果があるため、頻繁に処方されている」と報じました。
連邦政府による大麻の規制は1937年のマリファナ税法から始まり、「カンナビス」から「マリファナ」への用語の変更を反映しているが、これはマリファナをメキシコ人と黒人にとっての災いとして描写することで、大麻を人種や民族グループに結び付けるという当局の目的によるものと広く考えられている。
1970年代初頭、リチャード・ニクソン大統領が、医療用途が認められておらず乱用される可能性が高いヘロインなどのスケジュールI薬物のリストに大麻を追加することを承認したことで、米国では大麻に対する規制がさらに強化された。
NPRのコキー・ロバーツが2019年に報じたように、ニクソン大統領は「麻薬委員会の全会一致の非犯罪化勧告を無視して」そうした。「後に、彼の補佐官であるジョン・アーリックマンは、ニクソン大統領はマリファナを吸う反戦デモ参加者を攻撃し、犯罪化によって黒人居住区を混乱させたかったと述べた。」
他のスケジュール I 薬物は過剰摂取により致命的なリスクを伴うことが知られていますが、麻薬取締局は「マリファナの過剰摂取による死亡は報告されていません」と述べています。
米国の新たな大麻の定義が進行中
トランプ大統領の薬物再分類命令が示唆するように、 1970年代以降、マリファナに対する世論は政治的立場を問わず軟化している。多くの州で嗜好用または医療用のマリファナが合法化され、CBDなどのカンナビノイドは、その治療効果が食品医薬品局(FDA)をはじめとする機関から認められている。しかし、研究者たちは、連邦政府によるマリファナ禁止措置により、マリファナの使用が拡大する中でも、潜在的な健康リスクとベネフィットの研究が困難になっていると指摘している。
2018年農業法案は、政治家たちがヘンプとマリファナを区別しようとした、こうした議論の変化を象徴するものでした。合法化推進団体「マリファナ政策プロジェクト」の事務局長アダム・スミス氏は、これらの変化は議員たちに規制緩和を議論するための政治的な隠れ蓑を与えるとも述べています。
「マリファナ自体は賛成できないが、この違うものを止めるつもりはない」とスミス氏は政治的な思惑について語った。「でも、違うわけじゃないよね? 全部カンナビノイドだからね」
大麻を規制し、ヘンプを定義する、より厳格な新たな規則が11月に施行される予定です。施行時点では、THCまたは「同様の効果を持つその他のカンナビノイド」のいずれかの形態を0.4ミリグラム以上含む最終製品はヘンプとはみなされず、違法となります。
2018年農業法で一部のヘンプ由来THC製品が認められて以来、ヘンプ飲料メーカーはますます主流市場を築いてきましたが、今回の改正により、現在市場に出回っているTHC含有量が低または中程度とされる飲料(容器1個あたり2~10ミリグラム)が禁止されると述べています。また、他のヘンプメーカーは、新法により、 CBDなどの中毒性のないカンナビノイドを含む製品でも、微量のTHCが含まれている場合、事実上禁止されると述べています。
THC をめぐる議論とは別に、オレゴン州立大学のヴァイニング氏は、麻に関する規制の緩和によって、栄養価の高い種子から、建築資材の「ヘンプクリート」に使用できる繊維に至るまで、この植物のさらなる用途を研究する道が開かれたと述べている。
「大麻(カンナビス・サティバ)は薬物用途以外にも様々な用途があります」と彼女は言う。「そして、人類の歴史を通じて使われてきたのです。」

Reference : Hemp and marijuana are the same species. So why all the different laws?
https://www.wkyufm.org/news/2026-02-02/hemp-and-marijuana-are-the-same-species-so-why-all-the-different-laws




