Journal of Cannabis Researchに掲載された 研究によると、地下点滴灌漑(SDI)は屋外医療用大麻栽培の持続可能性と効率を大幅に向上させることができるという。

ドイツ農作物学研究所と生物統計学部の研究者らは、CBD含有量の高い3種類の大麻品種(カナダ、テラ・イタリア、FED)をホイルトンネル栽培し、SDIと従来の点滴灌漑(DI)を比較しました。その結果、SDIは水使用量を18.6%削減し、雑草バイオマスを93%以上減少させ、CBD濃度を9%向上させることが明らかになりました。
SDI法では、DI法と比較して花序収量が5%増加し、花序収量とCBD収量の両方において灌漑用水利用効率(IWUE)が大幅に向上しました。これらの成果は、SDI法では根圏に直接水が供給されるため、表面蒸発量が少なく、雑草との競合も減少したことに大きく起因しています。
この研究では、ナノ肥料(具体的には銀、銅、鉄のナノ粒子)の使用についても評価しましたが、収量やCBD濃度への統計的に有意な影響は認められませんでした。著者らは、遺伝子型反応や環境条件の変動が、これらの処理による目に見える効果が得られなかった理由を説明する可能性があると指摘しています。
ナノ肥料は目に見える効果をもたらさなかったものの、SDIシステムはほとんどのパラメータにおいて一貫した利点を示しました。研究者らは、SDIは従来の灌漑に代わる現実的な選択肢となり、特に水不足と気候変動への懸念が深刻化する中で、屋外大麻生産において環境面と経済面の両方のメリットをもたらすと結論付けています。
医療用マリファナ産業が成長を続ける中、この研究は持続可能な栽培方法と、高度な灌漑および施肥技術に対する遺伝子型別の反応のさらなる調査の必要性を強調しています。

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